どすこいゆとはんと母の翻弄人生

某ドナルド・トランプ氏が米国大統領に当選したまさにその日、大難産の末産まれたゆとはんと、彼に翻弄されまくる新米母の日々です。

【誕生記録④】~その名は子癇発作!こうして私は無事でした編~

~⑩夜明けと陣痛促進剤~


一切進まないお産に、私は心底疲れきっていました。
というかほんとにもう、死ぬ…!拷問…!!
頭も痛いし、目がチカっと。。きっとマンガで書いたら私の頭の周りには、ピヨピヨとひよこが回っている絵が描かれているに違いない。

深夜3時ごろ、耐え切れず看護師さんに泣きつきました。

 

「どうか、どうかお腹を切ってください…!!アタシもうムリ…!」

 

必死な形相に多少引きながらも、さすがにこれ以上長引くのは、と判断してくださったのでしょうか。。

 

「朝になったら看護師が増えるから、そこまで頑張ってムリだったら促進剤打とう。」

そのとき私は思った。

 

朝って、何時デスカ?具体的に?なんじなんぷんなんびょう地球がなんかいマワッタとき!?!?

 

そこからのことはあまり覚えていませんが、眠気と痛みのコンボと戦いながら、必死に耐えておりました。。
逆に、ここまで痛くても寝れるって自分すごくね?的な、身体の極みみたいなものに感動しつつ、朝を必死で待ちました。
陣痛室の小窓が徐々に白んでいくのを朦朧とした意識の中見ていたような気がします。
朝までの時間は、今思えば寝ていたからでしょうが、案外あっという間にすぎていきました。


さて、「明けない夜はない」などとはよく言ったもので、果たして私にも朝はやってきました。
7時をすぎ、にわかに騒がしくなった院内で、陣痛促進剤を投与することを告げられます!!!

もう、なんでもいい…!!!!!終わりたい…!!!

震える手で促進剤投与の同意書にサインをした時、初期の陣痛開始から、すでに26時間あまりが経過していたのでした。


~⑪促進剤投与、からの分娩室へ~


促進剤は、状況を見て30分(だったような)おきに投与量を増やしていくという段階方式だと伝えられました。
何を隠そう人生初点滴。
注射大嫌いな私にとって軽く恐怖の対象…

 

でも、そんな痛み無に感じるくらい、陣痛の痛みが!!はるかに!!強い!!!泣き!!

 

もう8センチだし、投与しているうちに子宮口も開いて赤ちゃん降りてくるでしょう、ということで、このタイミングで陣痛室から分娩室へ
結構「分娩室まで行くのがツラすぎた」みたいな話も聞いていたのでビビッていましたが、いざそのタイミングになると、さしてツラくもなく、スタスタ分娩室へ移動しました。スタスタと。
なんならちょっとトイレ行ってきます、イデデ、みたいなのもやってしまうくらい、心に余裕が生まれていました。

 

もうすぐ終わる~この長い長い旅路が~!!終わりなき旅が~~!!(参考:Mr.Children)

 

移動してみると、分娩室は、打って変わって手術感溢れる無機質な広い空間でした。
まあ実際ここで血みどろな出産劇がいろいろと繰り広げられるわけなので、陣痛室ばりにファンシーだと困るといえば困るのですが。。


若干ビビる私。広すぎてソワソワする私。眠いダンナ。


よく出産シーンとかで見る、足全開する椅子みたいなやつに座らされ、引き続き陣痛に耐える。
これでご開帳するわけか。。こんなだだっ広いところで。。こんな変な椅子で。。などと、朝の光に目をしょぼつかせながら、妄想していました。

そしていよいよ促進剤の投与が始まりました。


~⑫ブラックアウト…MAJIで倒れる5秒前~


しばらくは大きく状況は変わらず、投与から1時間が経とうとしていました。
しかし、、1番少ない量から、3段階くらいレベルをあげて投与し始めたあたりで、変化が

 

痛みが!!!さらに!!!!強い!!!!!アアア!!!

 

もうそれはそれは出ちゃうんじゃないかと錯覚するほど、強い痛み。頭痛。。
ダンナに対し、ケツ押せや!!!今すぐ押さんかい!!!とオラつき、私はなぜか椅子についていた手すりにしがみつき、シャウト
もうガマンなんかできません。
絶叫マシンでキャーなんて叫ぶのとは比にならないくらい、もう奥底から湧き出る魂のシャウト。ソウルフルです。

そして、そんなことが何度か続き、間隔が短くなってきたのか、と思った次の瞬間

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母親・ダンナ・産院の担当医・看護師・その他大勢の見たことない救急隊と思しき方々に取り囲まれ、私は担架に乗ってまさに移動するところでした。
私が目を開けたことで、にわかにざわつく人々

 

…は?

 

「姉ちゃん、うまれたよ!!!」と、母がいう。

 

…????
…何が?
…ていうか、ワタシ何してたんだっけ???

 

そして、奥から、看護師さんが肌色のなにかを抱えて持ってきました。
私目がめっちゃ悪いので、全然何にも見えませんでしたちなみに。
そしてそっと肌色さんが横に下ろされる

 

アレ!?!?!
赤さん!!!!!
なんで?なんでなんでなんでここにいらっしゃるのか?!
私はいつの間に出産を終えたのでせうか!?(混乱)

 

正直、混乱しまくっていて、そしてなぜかとてもとても眠くて、この時どうやって赤ちゃんと対面したか、記憶がありません
が、私はいっちょまえにナデナデしたそうです。

そう。なんと私は、分娩室にて泡吹いて痙攣失神、意識不明のまま、出産を終えていたのでした。。


~⑫その名は子癇発作~

 

その後、私は当初入院予定だった産院から、救急車で高速をぶっとばし、埼玉の果て(失礼)にあるでっかい大学病院まで運ばれ、MFICUというママンのICUへ、点滴チューブぐるぐる巻きで収容されました。。
ここについては、また追って入院編か何かで簡単にまとめようと思いますので、あえて割愛します。
が、救急車って高速乗るんだナ~とか、ICUって入院できるんだナ~とか、学びになりました。ハイ。

 

結論から言うと、私は「子癇発作」という、血圧が上がったりすることから発生する痙攣発作を起こしていました。
そう、私の血圧、今まで全く普通値で、問題ないといわれていたのですが、破水したあとから徐々にあがっていたのです。

後々聞いた話によると、陣痛促進剤のレベルを上げた数分後、私はダンナが見ている中、ビクビクと痙攣し泡を吹いてぶっ倒れたそうです。
しかも倒れたタイミングで舌を噛み、口からは血が… (のちのちバッチリ口内炎、というかもうケガになりました。)
たまたま近くにいた看護師さんに、慌ててダンナが通報。
同じく慌てた看護師さんが、大急ぎで当直の先生を呼び、私は超ウルトラ緊急帝王切開となったそうです。
もう緊急すぎて、通常書く必要がある帝王切開の同意書もすっ飛ばし全身麻酔で手術となりました。

 

通常こういう場合、赤ちゃんの心音が低下するなどの心配ごとが併発するそうですが、不幸中の幸いというべきか、赤子はなぜか超絶元気でした。
心音も最後まで一切低下せず、ノートラブルで爆誕
わが子ながら末恐ろしい。

 

しかし手術を終え、麻酔の効果が切れたであろう時間になっても私は目を覚ましません
このまま意識が戻らないか、最悪の場合何か障害が残るかも。。と、旦那は宣告されたそうです。

 

こええええええ!!!!
こえーよ!!!!

 

なので、私が目を覚ましたとき、彼は「良かった。。」と言って、シクシク泣いていました。
正直私ってば寝なきゃダメなタイプなのに、出産に伴って数年ぶりにオールしたこともあり、こちとら良く寝たー!!!!って気分だったのですが、、ゴメンネ。
それでも、私はあのときのダンナのぐしゃぐしゃな顔を、一生忘れることはないでしょう。心配かけた。フゥ。

 

ちなみに、全然記憶にないのですが、後で看護師さんに、

「あのとき、ダンナさんの頭なでて頑張ったね!て言ってて、出産後で大変だったのは奥さんの方だったのに、すごいなって思いました!」

て、言われました。

え、私どんだけ上から目線なんだろう^^
何様なのかナ…

 

そして、娘がぶっ倒れたと聞いて大慌てでやってきた我が母は、意識を戻すために何でもいいから呼びかけてください!と医療ドラマばりに言われたそうで、ダンナが涙ながらに私の名前を呼ぶ中、

 

やれ「朝だよ!!!!」やら、
干し柿ゼリー買ってきたよ!!!!(誕生記録②参照)」やら、

 

ムードもへったくれもない呼びかけをしていたそうです。
看護師さんも救急隊の方も意味わかんなかったでしょう。ていうか恥ずかしいわ。
でも、その甲斐あって目覚めたワケで、いやはや本当によかったですね。

 

その日は、麻酔のせいかとにかく眠たくて、赤ちゃんの頭を撫でて寝て、救急車に乗ってるわ~と思ってまた寝て、病院だわ~と思って寝てMRIの同意書にサインして寝てICUに入ってまた寝て、サラリーマン人生で初めて早退したという父親の顔を見て、また寝ました
今考えると、何もかも人任せな1日でした。
おかげで退院するときは、右も左もわかりませんでした^^ニコ

聞くところによるとこの発作は、妊娠中毒症の方には時折起こるそうですが、今回の私のように健康な妊婦に起こることは相当稀なんだそうです。
みなさんも、妊娠中毒症には気をつけようネ。。

ちなみに退院するとき、あの日あの時担当してくれていた看護師さんに泣かれ、手術してくれた女医さんに「帝王切開する手が震えた」と言われました。

抱きしめたい。


~⑬誕生記録 まとめ~


さて、十人十色な出産エピソードの中でもちょっぴり変わった私のお話でした。

あとでググったら、同じ発作で亡くなった方もいらっしゃるようで、対応次第では私も今この世にいなかったかもしれません。
出産で亡くなった、というニュースを見ると、これはあの時の私だ、と胸が痛くなります。。


立会い出産してもらっていなければ発見されぬまましばし放置されていたかもしれないと思うと、自分はラッキーだったけれど、それ以上にダンナに頭が上がりません


全国の、仕事が休めないと嘆くダンナさま

 

そのお仕事は、あなたの愛する奥さんと、これからうまれてくるお子さんの、命より大切ですか?

 

全国の、ダンナが立会いなんてできるわけないじゃんという奥さま。

 

魂をこめて懇願してみましたか?こんな事例もあるのです。不安なことは半分こしませんか?

 

全国の、出産間近の部下を持つ上司の方々。

 

部下の方が、一生後悔するようなことのなきよう、どうか背中を押してあげてはいただけませんか?


出産は命がけなのです。
これは、大げさなわけではありません。
どんなに安産な人でも、何が起こるかわかりません。。

 

なーーんて、言ってみましたが、これは超稀な例らしいので、経産婦さんは読み飛ばしてもらえればいいし、出産間近の妊婦さんはビビる事なく立ち向かってくださればとおもいます!

 

これにて誕生編、やっと終わりです^^
長々お付き合いいただきありがとうございました~!!